読売新聞 (1989年9月17日) もっと中身の議論が欲しいよネ!?  医療・福祉行政にはんらんするカタカナ用語をなんとかしようと、小泉前厚相のツルのひと声で、公用文の用語の見直しを進めていた厚生省の「用語適正化委員会」(座長・黒木武弘官房長)は十六日までに、「横文字用語の使用を極力避け、例外的に使う場合にもわかりやすくするための工夫が必要」とする報告書をまとめ、省内に配布した。 はんらん横文字 ”言い換え”事例 見直し厚生省が報告書 しかし、最大の懸案だった「ノーマライゼーション」「ショートステイ」などといった福祉用語については、ついに名訳は生まれず、引き続き検討事項として残された。 同適正化委が、公用文の中に多く見られる言葉で、言い換えが可能だとした例は「ソーシャルコスト=社会的費用」「マスタープラン=基本計画」「キャッチアップ=追いつく、到達」「コンセプト=概念、基本的考え方」「ニーズ=国民の求め、要望」「リサイクルプラザ=廃棄物再生利用総合施設」など。   同省が高齢化社会対策の目玉の一つとして推進している「ウェルエイジング・コミュニティプラン」も、以前から問題用語としてやり玉にあがっていたが、「健康長寿のまちづくり事業」で落ち着くことになった。  しかし、「これでは国民に理解されない」と、小泉前厚相が最も気にしていた福祉・介護用語については、ぴったりと表現する日本語が見当たらずじまいに終わった。「ノーマライゼーション」は「障害のある人も家庭や地域で通常の生活ができるようにする社会づくり」という長い注釈をつけて使うことにしたほか、「ホームへルパー」は「訪問し介護を行う者」、「ショートステイ」も「特別養護老人ホームなどに短期滞在する事業」とカッコ書きにすることで、お茶を濁さざるをえなかった。 名訳浮かばず検討事項も残す